舟に乗る分身(白)

2021 年

古いスカーフ(バットガシュタイン、オーストリア)、オーガンジー、紙粘土、糸、プラスチック製リング

H.88 x W.98 x D.6 cm (インスタレーションの高さ:221 cm)

展覧会

2021 「STUDIO-Exhibition with Aiko Tezuka」個展、マンハイム市立美術館、ドイツ

舟に乗る分身(白)

ボートのような形をしているのは推定で60〜70年ほど前に使われていた古着のスカーフ。細かい装飾は手縫いでアレンジされ、液体の滲みや微かな体臭が残っています。オーガンジーの袋の中に入っているのは、紙粘土を私の掌でぎゅっと握って出来たネガティブプリント。握手やハグなど身体的な接触が極度に制限される世の中になり、以前の身体の触れ合いとその制限自体が思いのほか、精神に影響していることに気づきました。セルのようなものー規制や制限に閉じ込められたまま、どこかに浮遊していくことの不安、そこからはみ出していく身体の奥からのぼんやりとした欲望。そのようなことがテーマとなる作品です。