縦糸を引き抜く 新しい量として

2003 年

引き抜いた縦糸、織物、パネル

H.228 x W.162 x D.135 cm(インスタレーションサイズ)、140 x 80 cm(楕円形パネル)、400 x 150 cm(織物)

展覧会

2004 「Outside of Modernismアートコートギャラリー、大阪

2007 「薄い膜、地下の森」スパイラル・ワコールアートセンター、東京

2009 「しんりょく!新収蔵品を中心に」豊田市美術館、愛知

2016 「蜘蛛の糸」豊田市美術館、愛知

コレクション

豊田市美術館蔵

縦糸を引き抜く 新しい量として

4メートル近い白い糸が、クラシックな色調の織物から引き出されていて、それはまるで清水のように見えます。観者は、床に敷かれている部分の布に、色が変わっている部分を見つけるでしょう。その境界線は、白い糸が入っている部分と入っていない部分です。布の端から、針を使って一本一本白い糸だけを引き抜き、楕円形パネルの上の線で止めています。この白い糸が未だ元の織物と繋がっていることが私には重要です。何故なら、どちらがオリジナルでどちらが帰属するものなのか、良くわからないような状況を作り出したかったからです。元の織物と引き出された白い糸は、それぞれ独立したもののように見えますが、未だ大本は繋がっていることを見せています。

Photo by

福永一夫