時代を織り直す(勇気と好奇心についての考察)

2025 年

解かれたジャカード織(EPOTEX)の経糸で織り直された織物(絹、ポリエステル)、木製パネル
資料提供:大阪歴史博物館、川島織物文化館
制作・協賛:川島織物セルコン

H421.0 x W1,370.0 x D30.0 cm

展覧会

2025年「2025年日本国際博覧会」迎賓館バンケットルーム、大阪・夢洲

時代を織り直す(勇気と好奇心についての考察)
左右の織物の中には、鎖国時代(16〜17世紀)に描かれた日本地図と世界地図、18世紀末の大阪の様子(四ツ橋、心斎橋筋、唐物屋)、日本初のパスポートに残された政府の押印と受給者の身体的特徴、西洋の時刻制度学習のためのイギリスの時計(明治元年)、日本近代織物の礎を築いた川島織物の商標や織物図案(明治時代)、二代川島甚兵衞の筆跡(19世紀末)、二代川島甚兵衞宛の手紙の差出人の文字(19世紀末)、明治期の万博関連書類(20世紀初頭)、明治期の迎賓館「泉布観」外観図、現代のパスポートのICチップ、絵文字、@や©️の記号、などが散りばめられている。
史実に記録されない「人間の未知なるものへの好奇心」や「他者へ開くことへの勇気」の鼓動を丁寧に選びとり、それらを一度解体し、織り直す。この織物に散りばめられたモチーフが「謎解き」のように、あるいは夜空に浮かぶ星座のように立ち現れ、人々の想像力と言葉を引き出すことを願っている。
【万博迎賓館のための作品制作に寄せて】
閉じていた日本が開き、開いたようで未だ閉じたままの部分がある日本が再び「万博」を開催する。史実に記録されない「人間の未知なるものへの好奇心」や「他者へ開くことへの勇気」の集積が、我々の現在をつくった。鎖国から開国。明治。そして令和へ。言語化されないエネルギーの鼓動をわずかに感じるモチーフを丁寧に選びとり、「完成されない」ものとして仕上げる。
世界が集結する2025年日本国際博覧会の迎賓館にて、人々が日本と世界の「今までとこれから」について語り出すための装置として、この織物が機能することを願っている。

Photo by

Yuki Moriya 守屋友樹